発達障がい てんやわんや 日記

発達障がいもちの しおり と 定型発達である 有里さんの ドタバタ日常。

猪突猛進

今年の5月、マグラブという、フリーエネルギー装置(無から有をつくるのではなく、省電力装置です)をつくるワークショップに参加しました。

 

マグラブの存在は2.3年前に知って、なんか面白そうなものがあるなぁって思ってました。実家にいたときに、材料とか、買っていたんだけれど、なかなかコイル状に巻くのが難しくて、放置中でした。(マグラブについて、詳しいことはこちらから、

ケシュ財団 装置は本物だった?MAGRAV(マグラブ)の作り方について | 黄金の金玉を知らないか?

 

そんな時、マグラブを制作するワークショップを紹介してもらい、作成しました。ワークショップの参加費は、私にとって、高額だったので、援助を有里さんにお願いしました。その時もマグラブについて、有里さんが納得できるような説明ができずに、でも熱意だけはあったので有里さんにお願いしました。

 

 

マグラブはコンセントと冷蔵庫の間につなげることが推奨されていました。なので、遊里庵の冷蔵庫につなごう!と考えました。

 

そして、冷蔵庫につなげようとしたのですが、私のなかで、冷蔵庫の位置とコンセントの位置が悪いと思ったり、延長コードをかませたら通電しなくなると思い込んでしまって、コンセントとマグラブと、冷蔵庫がそのままつながる位置に冷蔵庫を移動させよう!と行動を開始してしまいました。

 

その時、夜中の10時。有里さんに冷蔵庫を動かして、マグラブをつなげていいですか?と聞いて開始。

 

冷蔵庫は、一人では動かせなかったので、有里さんに手伝ってもらい、冷蔵庫をうごかして、マグラブをつなげて、部屋を見まわしました。

 

動かした冷蔵庫は、部屋のなかで存在感を主張し、くつろげる部屋というよりは冷蔵庫が主役の部屋のように・・・。

 

圧迫感があって、私がイメージしていたものとは、違うものになりました。有里さんからも、これは、ちょっと・・・ということで、もとの場所に戻すことに。

 

私は、”こう”と思い込むと、後先考えずに行動し始めてしまいます。

動かしたらどうなるか?延長コードで通電しなかったのは、コードの問題で別のコードで試してみる、などそういうアイディアが思いつかないのです。

 

元に戻す時間もふくめると4~5時間ほどかかって、元に位置でマグラブをつなげることになりました。

 

 

もし、考えることができてたら。その時間を有里さんや私はもっとクリエイティブなことに使えていたかもしれません。

 

私は人に協力してもらう、ということがその人の時間をもらっているということであることに気づかず。

今までいろんな人の時間を無意識にもらってきたんだなぁと思いました。

 

しおり

 

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しおりちゃんが遊里庵に暮らし始めて1年くらいたった頃だろうか?
いつになく熱心に 頼みごとをしてきた。

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「有里さん、出たいワークショップがあるんですが、参加費を援助してほしいんです!」

ちょっと、びっくりした。

 

わたしは、しおりちゃんに畑のある手作りの暮らしを体験することを勧めた。必要なことは教えサポートしていたが、彼女を養う意図はなかった。

遊里庵で暮らしの仕事を分かち合い、それぞれに自分の仕事もして、必要な経済は持ち寄れば、少ない経済で田舎暮らしを営める。フルタイムで働かなくても大丈夫。スローライフのチャンスをプレゼントしたつもりだった。

8か月は、暮らしを手とり足取り教え、経済については、彼女からアクションを待ったがなにもなかったので、しょうがないなぁと思いつつ、わたしが担っていた。

でも、今後のことも考え、生活にはお金がかかることを説明し、わたしや親に依存するのでは自由は得られないことを伝え、食費程度のお金を遊里庵に入れ始めたばかりの頃だった。

******
彼女が決めたバイトは週に数日で数時間だったので、彼女の払えるお金は少し。 わたしは彼女に料理や音楽、様々なことを丁寧に教え、暮らしの面倒も見て、さらにお金の援助を求められて、しおりちゃんの感覚を疑った。

「いくらなの?」とびっくりして聞くと、勢いよく返事が返ってきた。

「4万8⃣千円!」

「お金もないのに、そんな高いワークショップに出るの?」
「はい!どうしても出たいんです!」

「暮らしのハウツーを手とり足取り教えて、生活のお世話をして、さらにおこずかいまで渡すわけにはいかないの。エネルギーを与えるばかりじゃ循環していかないの。どうしても参加したいならお金を貸すけど、あげられない。わたしもお金に余裕がわるわけではないの。よく考えてみて。」

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しおりちゃんの意志は変わらず、わたしからお金を借りて、ワークショップを受けた。

そしてある日の夜中、
「有里さん、冷蔵庫を動かしていいですか?」と聞いてきた。

遊里庵では、いろんな方が来ては家具の置き場所を、使いやすく素敵なレイアウトに動かすことが多かった。わたしは、遊里庵に寝泊まりするみんなのアイデアを信頼していた。家具を動かすのはオッケー。

「いいアイデアが浮かんだんだね。いいよ。」

夜中に、しおりちゃんはふたつ並んでいる冷蔵庫を一人で動かし始めた。
わたしは自分の仕事をやめて、しおりちゃんを手伝わざるえなくなった。

そして唖然とした。冷蔵庫は薪ストーブのある横長の部屋の真ん中、台所の入口のところに出っ張って二つ置かれて、まったく落ち着かない部屋になっていた。

部屋が台無しになってることは一目瞭然。
「なぜ、ここに冷蔵庫を置くの?部屋が台無しになってるんだけど。」

「冷蔵庫をコンセントの差込口の側に置きたかったから。」
「なぜ、冷蔵庫を差込口の側に置く必要があるの?」
「マグラグを冷蔵庫のコンセントとの間に入れたいから。」

???

「延長コードがあるんだから、冷蔵庫はどこにおいても関係ないんじゃないの?
「延長コードをつかったら通電しなかったんです。」

「電化製品なんだから、通電しないわけないでしょ。。やってみせようか?」
延長コードを使ってみると、通電しました。

それから、また二人で二つの冷蔵庫を動かし、元に戻しました。

終わったときは、
夜中の2時を過ぎていました。

その後、発達障がいとわかり、読んだアスペルガーの本の症状の中に、
思いついたら、やりたい気持ちに支配されて、強引に進めるという症状が書かれていました。まさに、そのとうり。

しおりちゃんは、夜中に3~4時間を無意味に仕事をしてしまっても、やりたいことをやりきって、気が済み、後悔もしないようですが、つきあってしまった側は、心底がっかりして疲れてしまいました。

みなさんの自由な発案を全面的に受け入れてきたわたしですが、しおりちゃんに関しては、全体像を把握できていないので、肝に銘じて、なにをどのようにしたいのか?なんのためにやるのか?提案段階で、対話し、熟慮して対応したいな~と今は思っております。

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こうした出来事が起きた後は、しおりちゃんに起きた出来事を理解し、次回は違った選択が可能になるように、数日かけて根気よく対話してきました。

 

冷蔵庫を動かして、元へ戻したことについて どう思うかしおりちゃんに、聞きました。わたしは、しおりちゃんに振り回されて4-5時間もロスしたことにがっかりしていましたが、しおりちゃんは、謝ることもなく、ケロッとしていたのです。

しおりちゃんの答は、「やりたいことをやったから、満足している。」でした。

それで、「それにつきあわされたわたしは、この時間があれば 他のことができたし、しおりちゃんにふりまわされた自分にすごくがっかりしている。しおりちゃんは、それについては、どう思う?」と聞きました。

すると、「有里さん、さっき、『たまに冷蔵庫動かすと、お掃除ができるからよかった。』って言ってましたよね。よかったんじゃなかったんですか?」と言うのです。

「しおりちゃん、それは、夜中に冷蔵庫を動かすことは普通は起きないことだから、自分としおりちゃんを励ますために言った言葉だよ。それで、結果が良くなったなら納得できたけど、動かさなくてもいいものを動かして、元に戻すことになって時間だけロスしたと感じ、がっかりしたんだよ。
  それぞれに、やることがたくさんあることを理解して、人を巻き込む時には、事前によく考えてほしいな。人の時間をとってしまうことになるよ。」

「わたし、有里さんの時間をとってしまったんですね。」しおりちゃんは、初めて申し訳ないという顔になった。

「わたし、今までもよく考えないで、人の時間をとってきたことたくさんあると思います。有里さんごめんなさい。」

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また、しばらくして、お金を返すためには、バイトの時間を増やさないと返せないことを教えないといけないことに気がついた。しおりちゃんは、お金を返すのに計画が必要だと気がついていないようだった。

1か月に5千円づつ返すとしたら、バイトを何日増やしたらいいのか?何か月で返せるか?一緒に計算した。返し終わるまでは、わたしからお金を借りないことも約束してもらった。

しおりちゃんのそのころのバイトは1か月3万円くらいだったと思う。一日4時間を3日に1回くらいのペースくらい。朝 ゆっくり起きて、掃除と洗濯と料理ををし、庭でゆっくりごはんを食べて、畑と散歩に行って音楽をする暮らしが、人より恵まれていることに、彼女は気がついていなかったと思う。

少しづつ、やれることを増やし、やり切り、「生きる」ことが見えてくるように、教えて行った。自分では解決策を考えつかない、計画できないらしいと、見ているとだんだん分かってきた。

発達障がいと分かった時、本には、その傾向が書いてあり、やっぱり!そうだったか!と二人で安堵したものです。

しおりちゃん曰く、「自分では新しい行動は考え付かない。みようみまねもできない。インストール(教えてもらう)されないとできないが、インストールされたことは、できるようになる。」



そして、熱量(愛)を持って真剣に伝えられたことからは、情報以上のなにかを受け取っていることも感じている。

しおりちゃんが柔らかくなり、無邪気に、心から笑うようになったから。

 

 

有里 

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しおりが遊里庵(有里の自宅)に暮らし始めたいきさつは、こちらから読めます

しおりちゃんが、遊里庵(ゆうりあん・有里の自宅)にやってきた - 発達障がい てんやわんや 日記

 

 

 

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